老人の精神機能
一般に、老人の諸機能は衰退するものと考えられがちですが、精神機能では、衰える部分と深まる部分とがあります。
老人には、全体として構造的変化をするという特色があります。
例えば記憶について見ますと、電話番号のような数列や意味のない音節「ラ・メ・ソ・キ・フ」といったこ
とを覚え込む力は衰えますが、「春は桜・秋は紅葉」といった過去の経験と結びつくことはよく覚えられます。
また、古い重要な記憶を保持する能力はよく保たれていますが、どうでもよいことは忘れやすく、記憶が選ばれていきます。
計算能力も、時間を限ってテストしますと若い人より低い成績となりますが、ゆっくり時間をかけて正確にするテストをしますと、若い人に劣らず、ときには高い成績を示すことすらあります。
判断についていえば、分析的な判断力は低下しますが、総合的な判断力は衰えません。
むしろ深まっていきます。